MRC第15回 食品膜技術講習会 in Tokyo 2018 開催のご案内

日時:2018年8月8(水)〜9日(木) (10時より17時;初日は17時授業終了後 情報交換交流会)
場所: 一般財団法人 日本食品分析センター別館日本水産油脂協会ビル
      
(新宿駅より小田急線:代々木八幡駅 下車 徒歩5分、あるいは
         地下鉄千代田線:代
々木公園駅 下車 代々木上原寄り出口 徒歩5分)
    〒151−0062 東京都渋谷区元代々木町52番1号 TEL 03-3469-7131
 参加申込書および講習会会場案内図のダウンロード
主 催: 食品膜・分離技術研究会(MRC)


 主旨:MRCは平成元年に産官学の有志により設立されて以来、本年で設立
30年の節目の年を迎えました。

食品工学研究を長年に渡って行ってきて感じることは、食品会社は、いかなる食品を作るか(例えば新商品)には重大な関心を示すのに、いかに食品を作るか(製造プロセス)にはあまり関心を示さない傾向があることです。食品の製造規模が、化学工業と比較して小さいため、食品製造プロセスはコスト等に大きな影響を与えないためであろうと考えています。

  新技術が新食品を生むあるいは品質の向上に役立つと考えられる段階ではその技術が注目されますが、新製品が生産されるあるいは品質の向上がはかられて技術が定着してしまえばその技術はほとんど関心がもたれなくなってしまいます。

そのため、その技術の担当研究者・技術者は別の仕事へ移らされ、その技術の専門家が少なくなるかいなくなってしまうことになります。これは、エクストルーダー・超高圧・粉砕・乾燥・濃縮等の技術を見れば明らかで、かつて華やかだったこれら単位操作の研究者・技術者は食品業界ではほとんどいなくなってしまいました。

  この点、膜技術も例外でなく、かつての華やかさはなくなり膜技術の研究者・技術者も少なくなってしまいました。しかし、膜技術の利用ニーズは根強く、毎年行われる膜技術講習会には10名以上の若手研究者・技術者が受講されているのに見るように、依然高水準の関心を維持していると感じています。

これは、今利用されている膜技術の用途がまだ広がる可能性を持っていること、膜の利用プロセスの改良により製造プロセスを合理化できること、さらに新しい膜が開発されれば膜技術の利用範囲が広がり新食品の開発が可能であるなどの期待があるためと考えられます。 

北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の軍事的膨張政策等、我が国の安全保障を如何するかなど難しい問題が生じている中で、私たち研究者・技術者は今まで以上に技術開発に力を入れ国力の増強に努力する必要があると考えます。そのためには、従来から開発が期待されてきた技術開発をさらに加速させる必要があります。 

高齢・少子化傾向への対策としては、健康を維持しハツラツと仕事ができるように、生体の恒常性を適性に保つ機能を強化した食品の創造および機能性成分の分離精製等が必要になります。 食料問題に関しては,資源の循環・再利用システムの構築(排水・廃棄物からの有価成分の回収・利用)、省エネルギー,自給率の向上,安全性の確保等が必須の要件となります。さらに、社会の成熟化と生活水準の向上に伴い,安全な食品、よりおいしい食品・新鮮な食品、健康維持に役立つ食品が求められており、各種機能性成分の分離、アレルギー原因物質の分離等が望まれてきました。こうした要求に応えられる膜技術は今後も大きな役割を担っていくものと考えられます。 

本講習会は,こうした社会状況を勘案して,広く食品産業で利用されている膜技術について理解いただけるように、当研究会が設立10周年を記念して出版した『食品膜技術―膜技術利用の手引き―』をテキストとして膜技術のエキスパートであるMRC役員が講習会を開催してきましたが、出版社である(株)光琳が倒産したので各書店でも本の入荷は不明とのことです 

そこで、『食品膜技術―膜技術利用の手引き―』をベースに補助資料で講義を進めることにしました。上記のテキストをお持ちの方は持参してください。

テキストがなくても、補助資料で十分内容を理解して頂けますので、心配せずに講習会にご参加下さい

(今回は、別紙プログラムに示したように、それぞれの分野の専門の講師が、膜技術者を対象に、高度な基礎知識を分かりやすく易しく解説します。 

なお、やさしい『MRC第10回初級者のための食品膜技術講習会』は2019116日(水)17日(木)に開催いたします)

 申し込みおよびお問合せ(できるだけ e-mailにてお申込・問い合わせください)

〒332-0015 川口市川口1-1-3-3211 食品膜・分離技術研究会(MRC)本部事務局
e-mail : mack80wata@uu.em-net.ne.jp  TEL : 048-224-3336

申し込み内容: (参加希望者全員の) 氏名、所属、住所、電話、を記入しe−mailで申し込みください。
 参加申込書および講習会会場案内図のダウンロード
◎ テキスト:『食品膜技術−膜技術利用の手引き−』(大矢晴彦・渡辺敦夫監修/光琳)(この本は光琳が倒産したため絶版です。既にお持ちの方はご持参ください)
◎上記テキストをベースにした補助資料で講義を行います。
◎参加費振込み先 (郵便振替の方が、情報量が多く間違いが少ないので、出来るだけ郵便振替にて送金下さい)
◎郵便振替
口座番号: 00170−3−502659
口座名: MRC本部事務局
加入者氏名: 渡辺 敦夫

払い込み取扱票の通信欄に「2018年 膜講習会参加費」と記入して下さい。請求書・領収書が必要ならばその旨、ご記入下さい(事務局の負担を軽減するためできるだけ請求書・領収書の発行の要求をお控えください。また、各社内で取りまとめて申し込みを頂くと事務局の負担が軽減されます―― 労働生産性の向上にご協力ください)。

 ◎なお、申し込みが早割り期日以内であれば、参加費の振り込みはそれ以降になってもかまいません。

ただし、参加申し込みを頂くと、事務局で参加者のための手続きが始まりますので参加できなくなった場合も参加費の支払いは必要です(代理の方の出席をお願いします)

◎銀行の場合
みずほ銀行 川口支店(店番号: 300)
普通預金口座: 2425245
名前: MRCホンブジムキヨク 
参加費: 参加費には、昼食代(2日分)、情報交換・交流会の費用が含まれます。
   早割り扱い(7/25迄) 早割り以降扱い(7/26以降)
 参加費  会員 25,000円/人 30,000円/人
非会員 40,000円/人 45,000円/人
以上

食品膜・分離技術研究会(MRC)
MRC 食品膜技術講習会 in Tokyo 2018プログラム

日時 内容 講師 テキスト頁
8月8日
(水)
10:00〜12:00
120分
◎ 膜技術および関連技術の総合学習 
1. 講習会ガイダンスと受講者自己紹介
2. 分離・濃縮技術(凍結濃縮・蒸発濃縮)としての膜技術
3.膜技術、その発展の歴史(問題点解決の歴史)と将来展望
農学博士 渡辺敦夫
(MRC会長)
(東京農工大参与研究員)
(日本膜学会名誉会員)
テキスト
および
教材
12:00〜13:00 昼食(膜関連ビデオ放映)
13:00〜14:10
70分
◎膜技術の基礎T(膜技術を使いこなす基礎知識を講義する)
1. 膜技術の総論
(1) クロスフローろ過とデッドエンドろ過
(2) RO, NF ,UF, MF, EDの原理と特徴
2. 膜技術の基礎的理論
―― 逆浸透・ナノ濾過・限外濾過・精密濾過 ――
工学博士 田村 吉隆
(食品膜・分離技術研究会)

(MRC名誉副会長)
P.1〜12
P.17〜74
14:10〜14:25 休 憩
14:25〜15:35
70分
◎ 膜技術の基礎U(膜技術を使いこなす基礎知識を講義する)
1. 高分子膜の特性
2.各種膜モジュールの特性   
農学博士 渡辺敦夫
(MRC会長)

(東京農工大参与研究員)
P.103〜143
p.173〜201
15:35〜15:45   休 憩  
15:45〜16:45
60分
◎膜プロセス開発の進め方
1. UF・MF膜プロセスの開発
2 .RO・NF膜プロセスの開発
3.運転モードとその特性
4.運転条件の設定と最適化
工学博士 伊東 章
(東京工業大学名誉教授)
(MRC顧問)
P.205〜241
P.260〜277
16:45〜17:00 ☆Q&Aアワー   MRC役員会参加者全員対応 
(質問が無くなるまで、時間延長して対応します)        
司会 渡辺
17:10〜18:55 情報交換交流会(MRC役員と講習生の交流)
8月9日
(木)
9:30〜10:50
80分
◎膜技術の基礎V(膜技術を使いこなす基礎知識を講義する)
3.ファウリング層の基礎的性質
4.NF利用による食品製造と利用の注意点
農学博士 渡辺敦夫
(MRC会長)
(東京農工大参与研究員)
P.245〜259
10:50〜11:00 休 憩
11:00〜12:10
70分
◎食品加工への膜利用(無菌化濾過以外)
1. 飲料工業への膜利用
2. 醸造工業への膜利用
3. 水産工業への膜利用
◎メンブレンバイオリアクター
1.排水処理への利用
2.食品製造への利用
農学博士 渡辺敦夫
(MRC会長)
(東京農工大参与研究員)
P.381〜442
P.443〜507

P.535〜559
12:10〜13:00 昼食(膜関連ビデオ放映)
13:00〜14:30
90分
◎電気透析の原理と応用例
1. 電気透析膜の構造と特徴
2. 電気透析の理論
3. 運転条件の設定と最適化
4. 電気透析の食品加工への利用(ED:ホエイの脱塩その他)
◎乳業における膜利用
1. 牛乳の特性と膜分離
2. RO:ホエイの予備濃縮、市乳への応用
3. NF:ホエイの脱塩濃縮
4. UF:WPC、TMP、チーズ原料乳のタンパク質濃度調整
5. MF:HTST乳、チーズ原料乳の除菌、カゼインとホエイの分離
河邉 唯明
(雪印メグミルク(梶j)
P.144〜149
P.229〜241
P.349〜374
P.513〜532
14:30〜14:50 休 憩
14:50〜16:10
80分
◎膜の洗浄とメンテナンス
1.膜装置の日常管理とメンテナンス
2.膜装置の洗浄および殺菌と衛生管理
3.洗浄剤と膜洗浄の実施例
田辺忠裕
(シラサギ・サニテーションラボ)
(MRC幹事)
P.283〜293
P.294〜311

P.312〜325
16:10〜16:30 ☆ Q&Aアワー and 総合討論            司会 渡辺
講師は変更になる可能性があります