2023年 4月 吉日 食品膜・分離技術研究会(MRC)会 員 各 位 食品膜・分離技術 関 係 者
各 位 食品膜・分離技術研究会(MRC) 会 長 渡辺 敦夫 食品膜・分離技術研究会(MRC) 2023年度総会およびMRC設立35年記念研究例会の開催について ―対面およびオンライン併用での開催とします― 拝啓 食品膜技術懇談会( Membrane Research Circle of food • MRC)は設立35年の節目の年を迎えました。会員各位および役員の方々のご協力のお陰と感謝すると同時に35年の長きにわたり当研究会が活発な活動を続けて来られたことを会員の皆様と共に慶びたいと思います。 当研究会は、1989年(平成元年)に食品膜技術懇談会
として発足し、2005年に食品膜・分離技術研究会と名称変更しました。当時、高齢化・少子化社会に対応する健康に役立つ機能性食品の開発、生活習慣病やアレルギー疾患に関係した特定成分の分離や食品安全性の確保に果たす分離技術の重要性が高まって来たと感じられました。そこで、各種分離技術の特性を食品膜・分離技術に携わる技術者・研究者が把握し、利用することでさらに高度な食品を創出できるものと考え、食品膜技術を中心に据え、さらに、膜技術を取りまく他の分離技術を研究会の活動範囲に含めることを目的に、会の名称を発展的に改めました。 1989年は昭和天皇が崩御され平成に代わりました。そして、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、ルーマニアのチャウシェスク大統領失脚と大きな出来事が続きました。社会主義専制国家がなくなり冷戦が終わり、ようやく世界平和が訪れるように感じた年でした。しかし現実は大きく異なり、国連の常任理事国であるロシアがウクライナに軍事侵攻し、そしてBRICS諸国を含む世界人口の半分を擁する国家がそれを擁護あるいは非難しない側にいる状態であることを我々はシッカリと認識しておく必要があると考えます。 そして、2011年の東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所のメルトダウン、2020年からは武漢に端を発するウイルス感染症の蔓延により我々の社会活動そして生活は大きな影響を受けました。 ウイルス感染症はMRCにも影響を及ぼしました。2020年度総会と第32回春季研究例会は開催できる状況ではなかったため中止とし、年会費を徴収しないことにしました。この当時は、ウイルスに対してどのように対応すればよいか分からない状況だったからです。MRCの活動が1年間行えずボケッと過ごしてしまえば、我が国の膜技術の発展・継承に支障が出てしまうので活動を継続する方策を考えました。その結果、teamsを用いたオンライン会議を利用することにより、初級者のための膜技術講習会、第32回秋季研究例会、中・上級者のための膜技術講習会そしてMRCニュース64号の発行を行っています。 2021年度からは従来通り年会費を納めて頂き、オンラインと対面併用で例年通りの活動を行ってきました。そして、今年2023年度MRC設立35年を無事迎えることが出来ました。 MRCの大きな活動目的は、食品産業分野での膜・分離技術に関連する情報発信、人材育成、さらに交流センターとしての機能です。交流センターとして、各イベントの際には、終了後飲食をしながら交流会を開催し参加者間の交流・情報交換を行ってきました。それができなくなってしまい、大いにMRCの活動が阻害されたと考えていますが、ウイルス感染症が一段落したのでこれからは従来通り交流・情報交換会を行っていく予定です。 2023年度総会およびMRC設立35年記念研究例会を下記プログラムのように開催致します。 ご多忙とは存じますが、できるだけ多くの方々にご参加頂きますよう御案内申し上げます。 敬具 記 1.
日 時:2023年6月15日(木) 12:15~17:00(総会を含む) 17:10~19:00(交流会) 2.
開催方法:対面(川口リリア・大会議室)(オンラインを併用します) 3.
参加費: ①講演会聴講 ②講演要旨・pptスライド資料 の2項目が含まれます。
4.
早割り申込締切日:2023年6月2日(金)(送金は締め切り日以降でもOKです。但し、申込みいただいた場合、出席の有無にかかわらず参加費は納入して頂きます。本人欠席の場合は、代理の方が出席してください)。 5.申込方法:下記のフォームに に必要事項をご記入ください。
6.問い合わせ先 ● MRC本部事務局:〒332-0015 川口市川口1-1-3-3211 7. 送金方法: 郵便振替で下記口座へお振り込み下さい ※領収書はゆうちょ銀行(郵便局)の受け取りをもって代えさせていただきます。 ※特に領収書、請求書の必要な方は参加申込書に記入箇所がありますのでお書き添え下さい。
※ 郵便振替は事務局へ提出される情報量が多く、間違いが少ないので、できるだけ郵便振替でお願い致します。現金での納付は間違いの元ですので受け付けません。 ※ やむを得ない場合は、下記の銀行口座を御利用下さい。銀行に振り込んだ場合は 振り込み日を e-mail 等でご連絡下さい。
以上 2023年度総会・第35回春季研究例会 |
35年記念式典・2023年度 総会 |
① 開会挨拶 |
MRC会長 |
渡辺敦夫 |
12:15~12:35 |
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③ 2023 年度 総会 議事 |
12:35~12:55 |
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休憩 ( 5 分) |
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研 究 例 会 |
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題 目 |
講 演 者 |
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① 記念講演 或る農林官僚の回顧録 |
中川 坦 |
13:00~13:55 |
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講演概要 |
初めに農水省の機構と各局の連携等組織運営の概要を紹介する。その後、我が国でのBSE発生を受けて食品安全行政を抜本的に見直すこととなり、新設された消費・安全局長として、3年間の在任中に体験した様々な事件・事故への対応の内、特に米国でのBSE発生と牛肉輸入問題への対応の顛末を振り返る。さらに、タンザニアでの大使の日常についても紹介したい。 |
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休憩 ( 5 分) |
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② 特別講演 |
栗原 優 ( 工学博士 ) |
14:00~14:25 |
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講演概要 |
逆浸透膜による海水淡水化 (RO 法 ) は、膜の発明以来
60 年が経過した。中東中心に長年蒸発法と競合してきたが、 RO 法が主流となり日本は RO 膜で70%以上の市場シェアとなっている。プラント規模は 100 万トン / 日( 400万人の生活用水相当
) と大型化し、太陽光発電を使用し、造水コストは $ 0.3 - 0.5/ m3と手頃な価格となっている。 |
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休憩 ( 10 分 ) |
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③ SDGs を支え る
膜技術 |
渡辺敦夫 (農学博士) |
14:35~15:00 |
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講演概要 |
澱粉製造・大豆加工・小豆加工・水産練り製品・ミルク加工・畜肉加工等の排水から有価成分の回収利用の実用・研究が、円高が進む前にはきめ細かく行われていた。円高が進み食料・飼料が安く輸入できるようになりこれらの装置が停止させられた。 SDGs・食料安全保障そして円安の進む中で食料資源の有効利用を再考する必要がある。また、おいしい食品・安全な食品製造に膜技術は不可欠である。膜技術の果たしてきた役割と今後の可能性について紹介する。 |
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休憩 ( 5 分 ) |
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④ ㈱明治における膜分離技術の現状、課題、将来展望 |
豊田 活(工学博士) |
15:05~16:00 |
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講演概要 |
㈱明治ではチーズホエイ濃縮用の RO/NF 膜装置やチーズホエイ中のたん白質を分離、濃縮する UF 膜装置、生乳
/脱脂乳濃縮用 RO/NF 膜装置、更には高付加価値な乳飲料やクリームの製造用 NF 膜装置など多くの膜分離装置 を稼働させている。本講演ではこれらの事例を紹介し、㈱明治での膜利用の現状、課題などを紹介する。 |
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休憩 ( 5 分 ) |
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⑤ プラントベースドフードの発展―大豆タンパクの
分離・大豆ミートと大豆利用の現状と展望― |
佐本 将彦 ・博士(農学) |
16:05~16:55 |
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講演概要 |
弊社の創業者は、大豆タンパク質が将来のプロテインクライシスのリスクヘッジとして期待される理念を示し、その商品開発を強く導いた。伝統食品とは異なるユニークな物性を示す大豆タンパク質素材の SPI 、TVP 、さら に、プラントベースフード( PBF )のコンセプトに沿った分画豆乳やプライムミートなどの商品を紹介する。 |
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交 流 会 1.開会の挨拶
2.乾杯 3. 会員からの MRCへの応援・助言 等 4.締め |
17:10
~19:00 |